お知らせ

▼研究者を支える妻の会「研妻会」Webサイト

▼「研妻会」インスタグラム気まぐれ更新中

2020/03/05

【研妻哲学52】海外移住から本帰国後まで。私の適応段階

研究者と研究者を支える人々を応援する、研妻哲学 #52

2020/3/5


研妻の私が

日本の都会から

海外の地方に

移住し

日本に本帰国するまで

それぞれ新しい環境に

適応していくには

いくつかの段階

プロセスが

必要だった



有名な学者の理論も存在するが

ここではあくまでも

研妻の私が感じた各段階を

ちょっぴり細かく

振り返ってみる



【1】希望期

空港まで見送りに来てくれた

家族と離れ

夫と飛行機に搭乗し

現地の電車を乗り継ぎ

受け入れ先のボスの車で

ゲストハウスに到着

いよいよここから

海外移住生活が始まる

という希望を含む

わくわくした気分だった



【2】困惑期

ゲストハウスで

掃除機を借りたいが

ドイツ語でなんと言えばいいかわからず

戸惑う

スーパーに並ぶ食材が

ドイツ語ばかりで

なんて書いてあるか

さっぱりわからなくて

戸惑う

家庭のゴミの捨て方も

わからなくて

戸惑う

わくわくを過ぎて

戸惑ってばかりだった



【3】反発期

だんだん現地の人と

接する機会が増えていくが

日本のようにはいかず

イヤになる

日本語が通じない生活が

イヤになる

現地のちょっとしたことでも

イヤになっていた

心がイヤイヤを連発する

魔の2歳児のようだった




【3】葛藤期

イヤな環境が

ずっと続くと思うと

逃げ出したくなる

日本に帰ろう

いや、やめておこう

この繰り返しが続いた



【4】低迷期

長い葛藤が続き

外出が億劫になり

化粧もしなくなった

家にこもることもあった

何をするにも

やる気がおきず

気持ちが沈み

気分が低迷していた



【5】観念期

気の済むまで沈んだあと

現状に抵抗するのは

諦め

観念して

この環境を

認める訳ではないが

受け止められるようになった

まだ受け入れられないので

ただただ

受け止めるだけ



【6】受容期

受け止める

心の余裕がでてくると

周りのことが

頭で理解できるようになり

ゆっくりと徐々に

受け入れられるようになった

日曜に買い物ができなくても

そういう国なのだと

受け入れる

お店の品揃えに満足できなくても

そういうエリアなのだと

受け入れる



【7】適応期

そうして受け入れていくと

ようやく現地の生活に

気持ちが慣れていく

居住環境といった

外的な面も

人格の変容といった

内的な面も

順応していったように感じる



【8】維持期

葛藤を乗り越え

諦めて

受け止めて

受け入れて

やっと慣れたあとは

その生活を維持していく

今しかない

この生活環境を

楽しもう

という気持ちもわいてくる

今のうちに

という気持ちが大きくなり

家族旅行にもでかけた




【9】楽観期

維持期が長く続いた後

この海外生活も

いずれ終わるだろうと

楽観的になってくる



【10】解放期

日本への帰国の話が持ち上がる

いよいよ本帰国が

近づいてくる

これまでお世話になった人達へ

感謝の気持ちが沸き上がり

長年たえしのんだ心が

解放され始める



【11】対峙期

日本へ引っ越す

愁いを帯びた慌ただしさの中に

一部すっかり海外の感覚に

慣れてしまっていた自分に気づく

日本人の自分が

海外の感覚を身につけていることに

初めて対峙する



【12】悶々期

周りになかなか共感してもらえない

とわかっているので

海外生活のことを

あまり話さずに過ごす

心は悶々としている




【13】吐露期

わかってくれそうな人に

少しずつ打ち明ける

悶々としたものを

受け止めてくれそうな人に

受け止めてくれるだろうと

やや期待して打ち明ける

話すために

海外生活を思い出すとき

涙があふれることもあった

トラウマに似ていると感じていた

自分の心の底を掘り出して

吐露していくと

心と人格が

少し落ち着き始める



【14】最終適応期

時間の経過と

母国という環境がもたらす

安心感が

最終的な適応へと

導いてくれた






適応の段階は

十人十色





*淡々と現実を受け止める、研妻哲学*


生活環境も自分(自我)の構成要素のひとつなのかもしれない


環境で人が変わる、というのは自分を構成する一部の要素が変わることなのかもしれない







*研妻の多文化適応の段階まとめ/メモ*

【1】希望期
【2】困惑期
【3】反発期
【4】低迷期
【5】観念期
【6】受容期
【7】適応期
【8】維持期
【9】楽観期
【11】対峙期
【12】悶々期
【13】吐露期
【14】最終適応期



ブログ アーカイブ