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2020/01/31

【研妻精神18】海外で帯同生活を送る家族のケア

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #18

2020/1/31



海外ポスドクを卒業し

日本国内で大学研究員になった研究者夫




そんな夫と海外で帯同生活していたとき

研究者ではない妻の私がほしかったもの



それは

帯同家族ケア



夫は学振という日本の独立行政法人から

費用をもらって渡航したので

海外の受け入れ先は、ほぼ無料で

人員確保できたかたちになる



つまり

海外の受け入れ先は

仕事はあげるけどお金は出さない


博士号をくれた日本の大学は

既に卒業している身



となると

渡航時にサポートしてくれる組織はない



あくまでも個人の意思で乗り込んでいくので

日本から海外への引っ越し手続きを

助けてくれる人もいなければ

帯同する家族を精神的に

ケアしてくれる人もいない




研究者夫も研妻も

初めてのことばかりで

戸惑うことも多い




研究者の夫についていくと

周りは研究者や医者ばかりとなり

研究者でも医者でもない妻の私は

やや肩身の狭い思いをすることもある




少しややこしいが

「研究者の夫を持つ妻」の研妻であって

妻の私は研究者ではない



渡航した途端に襲いかかってくる

喪失感

孤独感

疎外感



さまざまな気持ちに

まずはひとりで

立ち向かっていかなくてはならない




当時の私は

辛いとき、苦しいとき

夫以外に日本の家族や友人にも相談した

もちろんそれはそれで良かった



けれどもやっぱり

実地体験している人にしか

わからないこともある






*淡々と現実を受け止める、研妻精神*



過去の自分は、未来の自分が救えるかもしれない

今の自分は、そのための学びを始めてみるといいのかもしれない















2020/01/30

【研妻精神17】海外ポスドク研究者夫のその後

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #17

2020/1/30


博士課程を卒業し

ポスドクとして修業を積んだあと

すんなり助教や准教授になる人もいるが

わが家の研究者夫は苦労した



海外でポスドクとして働いていると

日本国内の情報が入りにくいうえ

日本での就職

ポジション探しに不利だ

という事に気がづいたのは

ずいぶん後になってから



そんな中、海外に住みながら

なんとか日本での面接まで

こぎつけた事があった



小さい子どもを連れて

家族みんなで一時帰国し

面接当日を迎えた



滞在先の研妻の実家で

朝から着なれない

スーツを身にまとい

普段の山奥での生活では

履かないような革靴を履いて

面接に臨むポスドク研究者夫



面接当日、

研妻は最寄り駅までベビーカーを押して

駅の改札で子どもと一緒に

研究者夫に手を振り

背中を見送った



結果は海外に戻ってから知らされた

「不合格」の通知

最終選考で落ちた



そんな経験があったので

海外ポスドク研究者が

大学教員として日本へ戻る道が

かなり険しいことは

研妻も痛いほど肌で感じていた



このまま一生海外で過ごすか

日本で生活するために

夫に新しい仕事を探してもらうのか

色々考えて

もう限界だと

何回も思った



限界を感じながら

悶々とした日々が数年続いた



もうそろそろ年齢的にも

難しいな

そろそろ潮時かな

と限界を感じていたころ


大変ありがたいことに

大学教員(研究員)として

雇ってくれる大学と出会えた



*淡々と現実を受け止める、研妻精神*


どうなるかわからない未来に向かって、失敗してもギリギリまで続けてみることは本当に大変だけれど、真の限界は案外その先にあるのかもしれない





2020/01/29

【研妻精神16】研究者の夫を持つ妻、寂しい時の対処法

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #16

2020/1/29


夫が研究者だと

四六時中 研究のことばかりで

奥さんは寂しいと聞いた事がある



たしかに夫が研究に没頭している期間は

寂しい思いをすることもある

もちろん人による



研妻の私は

夫が海外ポスドクになりたての頃

寂しかった



話し相手が夫しかいないのに

日中はずっと研究室にいて会えない



心が折れた研妻の様子をみかねて

ランチの休憩時間に

家に一時帰宅してもらい

お昼ご飯を一緒に食べるように

してもらった時期もある



当時はまだ山奥にある

古びたゲストハウスに

住んでいたので

ガタガタの山道を行ったり来たり

夫は大変だったと思う

この頃

夫のスニーカーはいつも以上に

ボロボロだった

買い換えても山道と石畳で

すぐにすり減ってしまう



ひきこもりがちになり

なんとか状況を変えたくて

手あたり次第

外へ出る口実をつくった

買い物にいって

お店の人と言葉をかわすだけでも

気持ちが軽くなる日もあった

そしてこのブログも始めた



そのうち

家にひとりでいる時間も

寂しくなくなってきた

ような気がする



どうせ書くなら

少しでも誰かの役に立つ情報で

今の私しか

発信できないような内容で

と想いを巡らせた



たまに同じような環境の読者のかたから

「このブログを参考にしています」

といったメッセージをもらうと

心の底から嬉しい

ありがたい

励まされている

恩返しが

いつかできればいいなと思う







*淡々と現実を受け止める、研妻精神*



夫が研究に没頭して寂しいときは、今しかできない&ほんの少し誰かの役に立つことを考えてみるのもいいかもしれない











2020/01/28

【研妻精神15】ドイツから子連れ本帰国、当日のトラブル

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #15

2020/1/28



いよいよ本帰国の日がやってきた

数年間ずっと夢見た日



本帰国の移動には3日かけた

1日目は、ドイツの家から空港近くのホテルに前泊

2日目は、前泊したホテル→空港→飛行機に搭乗

3日目は、日本の空港に到着して新しい家へ移動



子どもが小さかったので

休憩を多く挟んだ



まず1日目

ドイツ郵便局(DHL)に集荷を頼んでいた



大きなダンボール箱を

日本へ送りたいが

郵便局の窓口まで運ぶのが

難しいと判断したため



インターネットで集荷の手配ができるか

調べてみたら

なんとか出発当日に

間に合いそうだった

料金も払っていた



ところが当日

誰も集荷に来なかった




研妻が子どものお世話をしている間

研究者夫は肉体を駆使して

力技で郵便局まで

何往復もすることになった



この不完全なサービスの国に

すっかり慣れた頃

本帰国を迎えることとなった






*淡々と現実を受け止める、研妻精神*


不完全なサービスなど予期せぬトラブルは、グローバルスタンダードだと受け止めるといいみたい





2020/01/27

【研妻精神14】海外ポスドク研究者夫と、いよいよ本帰国

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #14

2020/1/27



ポスドク海外研究者夫と

海を渡ってから数年間

ずっと待ち続けた

本帰国



ついに実現するときが来た



待ちに待った本帰国



ウキウキ わくわく ドキドキするのかと

夢見ていたけれど

現実はそんな時間もなく

慌ただしく過ぎていく



小さい子どもたちを抱え

産後の余韻が残る身体で

荷造りをする



さらに

日本とドイツの両方で発生する

引っ越しに伴うさまざまな手続きを

自分たちで同時進行していく

誰も代わりにやってくれる人はいない



たまに周りの人々に助けてもらいながら

不動産、幼稚園、電力会社、

外国人局のオフィス、銀行など

たどたどしいドイツ語で攻めていく



日本からドイツに引っ越してきたときの荷物は

スーツケースとショルダーバッグのみ



ドイツから日本に引っ越すときは

家族が増えた分

ダンボール箱5、6箱が加わった



おそらく荷物は多くないけれど

スーツケースで乗り込んできた時に比べると

ずいぶんと増えた



そんな思い出に浸る間もなく

目の前の環境の変化を受け入れる





*淡々と現実を受け止める、研妻精神*



度重なる環境の変化は研究者夫の糧となり、彼を成長させてくれたみたい








2020/01/26

【研妻精神13】研究者夫と出会った日、出会った瞬間

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #13

2020/1/26



まだ研究者夫と出会う前

大学生だった研妻の私は

レストランでアルバイトをしていた



ちょっとおしゃれで

都会的な

ヨーロッパ感が漂う

レストラン



食事時には大勢のお客様で

賑わう店内



私はいつものように

メニューの案内や

料理を運んでいた



すると

ひとりの若い男性が

お店の入口から入ってきた



女性客が多いレストランだったので

男性が一人で来店するのは珍しかった

そんな違和感と同時に

私は気づいた

佇まいから漂う雰囲気で

この男性は都会的とは

対照的な

素朴な青年




これが将来

研究者夫となる彼の第一印象




出会った瞬間の記憶




私の肉眼が

初めて彼を

捉えた瞬間




この日彼は

このお店の

アルバイトの面接にやってきた




誰かと出会った瞬間を

記憶しているのは珍しい




その後

結婚するなんて

夢にも思わなかった

一瞬の出会い






*淡々と現実を受け止める、研妻精神*



遠い未来は、一瞬の何気ない出会いから始まるみたい


夢みた研究生活は、一瞬の積み重ねが運んできてくれるのかもしれない








2020/01/25

【研妻精神12】研究者夫が専門書を覚える意外な方法

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #12

2020/1/25


研究者夫が

まだ彼氏だった頃

修士だったか

博士課程の院生だったかは

忘れてしまったけれど



研妻が妻になる前

彼より一足先に社会人となり

フルタイムで働いていた頃



彼の誕生日が近づいてきた



奨学金をもらいながら

大学に在籍していた彼は

数千円もする分厚い専門書を

買うのに対して

ややためらいがある様子



よし、誕生日プレゼントは

彼が買うのを迷っている

専門書にしよう!



そう心の中でひらめいた



そうして迎えた彼の誕生日


分厚い

重い

大きな

専門書を渡すと

喜んでくれた



ただ1週間くらい経つと

喜びも薄れるようで



ある日気がつくと

彼は彼女からプレゼントされた

分厚い専門書に頭を乗せ

昼寝をしていた



固い枕で寝るなんて武士か

と言いたくなる現実



読んだ専門書の内容を

覚えるには

頭皮で感じながら

眠るのがいいのか

ちょっと疑いたくなる

研究者夫スタイル








*淡々と現実を受け止める、研妻精神*


休むときは休む、昼寝でリフレッシュも案外いいみたい





2020/01/24

【研妻精神11】博士課程の院生、結婚のタイミングは?

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #11

2020/1/24



大学院の博士課程に通っていた

研究者夫

そんな院生の彼より

一足先に社会人となり

働いていた研妻


当時

二人の間には

「結婚のタイミングは?」

という疑問が沸き上がる



博士課程のうちに学生結婚か

卒業して博士号を取得してからか

仕事や生活が安定してからか



どのタイミングがベストかわからない

どんなタイミングも自分たちで決めたら

それをベストタイミングだったと言えるよう

日々を過ごしていく



わが家の研究者夫は

ポスドクになる前に学生結婚した



その時すでに交際期間が5年を迎えていて

家族や親戚などからのプレッシャーも

少なからず影響を与えたが



研妻の私は仕事が好きだったし

生活費は稼げていたので

周りの反応は気にならず

夫が学生でも構わなかった



自分で決めたことだから






*淡々と現実を受け止める、研妻精神*


安定した未来がくる保証がないなら、学生結婚もいいかもしれない


未来を夢みる時間を共有することで、絆が深まっていくこともあるみたい













2020/01/23

【研妻精神10】趣味があわない研究者夫との夫婦生活

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #10

2020/1/23



研究者夫と研妻の夫婦は

「似た者夫婦」とは正反対

共通の趣味などない

デコボコ夫婦

凸凹

この漢字そのものである



趣味が全然違うので

映画を観るときは

たいていどちらかが譲る



研究者夫が観たい映画を

研妻は観たいとは思わないけど

一応付き合う



すると

なんだかんだで視野が広がる




家の中では

家事の分担が自然とできる



夫は実験をするように料理をしてくれるが

洗濯物の干し方はイマイチで

服やタオルを畳まない

旅行でスーツケースに入れる時も

ぐちゃぐちゃのまま入れる




すると

夫が料理している間

妻は洗濯物を片付ける




夫は家電にこだわるけど

妻の私は特にこだわらないので

家電製品はどれを選ぶか夫次第



もっと細かいことになると



紙くずや食べ終わったお菓子の袋を拾い集め

ゴミ箱に捨てるのは研妻だけれど

たまったゴミ袋を

外のゴミ置き場まで持っていくのは

研究者夫




掃除機をかけるのは

研妻だけれど

掃除機にたまったゴミを捨てるのは

研究者夫



なんとなく自然に訪れた夫婦の生活







*淡々と現実を受け止める、研妻精神*


趣味があわない相手もわるくないみたい










2020/01/22

【研妻精神9】留学経験なし、英会話を習わず海外挑戦した結果

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #9

2020/1/22



日本で博士号を取得し

卒業後はヨーロッパの研究所で

働くことが決まった

海外でポスドクになる研究者夫



渡航後の仕事は英語が共通言語になるのに

夫(日本人・留学経験なし)は

一度も英会話を習ったことがなかった



研妻の私は

地道に英会話レッスンを受けた

経験があり

正直、夫の英語力を心配していた



おそらくこのままではダメだろうと

英語が通じず苦労するだろうと

目に見えていた



なので少しでも苦労しないように

あの手この手で

夫に英会話レッスン受講をすすめてみる



私のお気に入りの英語講師を紹介したり

英会話をやっておいた方が理由を並べたり

それなりに説得の努力はしてみたものの

全く歯が立たなかった



そして ついに

そのままの状態で

英会話を全然練習しない状態で

引っ越しの日を迎えてしまった



現地での生活が始まると

案の定

英語(ドイツ語も)で苦労することになった




専門分野に関しては

大きな問題にはならないようだが

普段の日常生活は研妻の私が盾となり

現地の人とコミュニケーションをとる始末




空港、お店、レストラン、ホテルなどで

現地の人とやりとりする必要が出てくると

夫は私を一歩前に押し出し

後ろに隠れるような位置に移動

実際は夫の方が背丈がある分

お店の人からは丸見え

見守るような立ち位置

と言った方がいいのかもしれない




そうして仕事においても

同僚と仲良く雑談するには

専門分野以外の英会話力が

必要だとわかってくると

ついに英会話の学習を始めた



その後しばらく没頭することになる




*淡々と現実を受け止める、研妻精神*


本人がやる気になるまで、ほっとくといいみたい


3年から5年も経てば、研妻が一歩前へ出ることはなくなった





2020/01/21

【研妻精神8】海外出産時、研究材料として胎盤を提供

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #8

2020/1/21


我が子を出産する際

お腹もだいぶ大きくなり

寝返りもうてない

そろそろ出産というタイミングで

大学病院の産科に行くと

産科の女性医師から

1枚の紙が渡された



びっしりドイツ語で書かれたプリント用紙



後日、家にかかりつけの助産師を呼んだ際に

その紙を見せて内容を聞いてみた



すると、今後の研究の発展のために

研究材料として

出産時に胎盤を提供しますか?

というアンケートであることがわかった



答えはYes



夫の研究のことはよくわからないけれど

夫と同じ立場の研究者の役に立つなら

研究材料として私の胎盤を提供することに

抵抗はなかった





出産当日

大学病院に着くと

予想していなかった事が起こった




ドイツ人医師や看護師が妙に優しい




普段はまず受付のナースと戦う

予約はあるのか

保険証は問題ないのか

受診のおおまかな理由



研妻である私のたどたどしいドイツ語で

相手に納得してもらう必要がある




やさしいナースだったら

その日は運がいいと思う



不機嫌なナースだったら

その日は運がわるかったと思う



その日

1日を左右したりもする



英語が話せる医者に辿り着くまで

一苦労だったりする





そんな戦いを繰り返してきた経験から

出産当日の病院スタッフの様子が

いつもと違うことに気づく




助産師に至っては

1回目の出産時とは異なり

矢継ぎ早に色んな提案をしてくれる



やさしい

日本のおもてなしを思い出させる

心温まる提案



腸洗浄をするとこんないい事がある

とか

温水プールのようなお風呂に

アロマをたいて入浴すると

陣痛の痛みが軽減され

参道も柔らかくなり

赤ちゃんが出てきやすい

とか



以前も同じ大学病院で出産していて

その時は一晩中震えが止まらなかったけれど

今回は待遇が全然違う




おそらくは

胎盤をキレイな状態で摘出するため

ヨーロッパでアジア人の研究材料は

珍しいはず




理由はどうであれ

私の中で最高の出産となった






*淡々と現実を受け止める、研妻精神*



誰かを応援すると、自分にも何か返ってくるみたい


研究者を応援する方法は、人の数だけあるみたい






2020/01/20

【研妻精神7】海外での帯同生活、小さな価値

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #7

2020/1/20


ヨーロッパの田舎町から日本に帰ると

日曜も買い物ができる!

飲食店でおしぼりとお冷やがでてくる!

チップの計算がいらない!



そして、

なんといっても

日本語が通じる!



家の水漏れ

床上浸水

ドアの修理

天井と壁の塗装

引っ越し

郵便局

銀行

カフェ、レストラン、空港、駅

役所の手続き

入園

保護者会

病院、入院

など

苦労してきたこと全て日本語OKになる!



ありがたい



当たり前だと思っていた「日本語対応OK」

当たり前ではない環境が気づかせてくれる

当たり前の価値




苦労を一緒に乗り越えてきた

家族の絆も強まっているはず



海外で帯同生活することの小さな価値を発見



*淡々と現実を受け止める、研妻精神*


海外での帯同生活で経験した煩わしさにも、価値があるみたい


2020/01/19

【研妻精神6】研究者夫の口癖

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #6 

2020/1/19


研究者夫の口癖は



「今日もうまくいかなかった」



「実験がうまくいかなかった」



ある時期は呪文のように

家に帰ってくると

まず第一声が



「今日もうまくいかなかった」だった



研妻は笑みを浮かべてこう反応する



「いつものことね」



「それっていつものことだよね」



大丈夫、平常運転と思いながら

何回もしたこの会話



実験がうまくいかないことは

そんなにわるくない

うまくいかないのは

一生懸命に実験をしている証



わりと普通のことかもしれないから

うまくいかなくて

当然かもしれないから



*淡々と現実を受け止める、研妻精神*


うまくいかない期間が長いほど、うまくいく時を夢見ていられる

うまくいくことは、当たり前ではないみたい




2020/01/18

【研妻精神5】衝撃が忘れられない誕生日プレゼント

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #5

2020/1/18


研究者夫と研妻が

まだ大学生の頃



彼がポスドクになるなんて


一緒に海外で生活するなんて


夢にも思っていなかった頃




付き合いだして最初に迎える

研妻である私の誕生日



どんな誕生日プレゼントがもらえるだろう?



心のどこかでわくわくしていた



そんな私に訪れた現実



誕生日プレゼントは


学生だった研究者夫が


実験で使用するアイテムを収納しておく


小さなプラスティックケース



つまり


むき出しの収納ボックス




現実は想像をはるかに上回った




夫はこう言う


「この業者のプラスティックケースはレア物なんだ」



*淡々と現実を受け止める、研妻精神*



時には期待しないことも大切みたい





2020/01/17

【研妻精神4】海外の帯同生活で自分を見失ったら

研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #4

2020/1/17


研妻の私には

海外で帯同生活中

暗黒時代と呼ばれた時期がある



新しい生活に馴染めず

自らを廃人と呼び

研究者夫に八つ当たりばかりしていた



社会との接点を失い

生きる希望を見失っていた



専門用語を使えば

自我の喪失

アイデンティティロス

と言うらしい




今振り返ると

研究者夫には申し訳ないことをしたと思う

けれど当時の私には必要な時間




心が沈むのをとことん味わって

時間をかけて受け止めて

やがて諦めとも言えるような

受け入れ期間がやってくる



そうして見失っていた自分が戻ってくる



*どんな現実も受け止める、研妻精神*


時にはダメな自分を晒す勇気もあるといいみたい




2020/01/16

【研妻精神3】任期付き雇用との向き合い方

研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」#3

2020/1/16


大学院で博士課程を修了した後


研究者として研究を続ける人は


たいていポスドクになる


いわゆる修行期間


たいてい任期付き


(もちろんそうではない人もいる)


夫がポスドク海外研究者として最初にもらった雇用契約は


1年


たったの1年


1年先はどうなるかわからない


令和の時代にぴったりかもしれない


不確実性だらけの働き方



遠すぎる未来を見つめる前に


今、目の前の仕事をやり抜く


今、目の前にいる仲間に誠意を払う



そんな夫をただ受け止めるしかない



日々「今、できること」に集中する


1年という限られた任期付き雇用が、


集中に繋がる


その結果、


1年から始まった雇用契約が、


1年後には、2年契約をもらえるようになり


さらにまた契約更新となり


未来が広がっていく。


色んな道が見えてくる。



任期付きという現実を


必要以上に怖がる必要はないかもしれない



人生100年時代


今までの当たり前が

これからも当たり前とは限らない



*どんな現実も受け止める、研妻精神*

任期付き雇用を不安に思っている時間で、何か新しいことが学べるかも














2020/01/15

【研妻精神2】研妻のトラブル対応術

研究者を支える人々を応援する「研妻精神」#2


イタリアに憧れを持つドイツ人

そんな周りの影響を受けて、

ある年の年末年始はドイツの隣国

イタリアへ飛ぶことに。



出発当日。外は雪景色。


ドイツ国内の鉄道DBに乗って

ミュンヘン空港へ移動



すると、

突然電車が止まる


アナウンスが流れる(もちろんドイツ語で)


内容がいまいちつかめない


周囲を見渡すと、


乗客の様子がなんだかおかしい


なんだ?


何が起きたんだ?



動物が線路に侵入して立ち往生!



電車が動かない


なかなか動かない


飛行機の搭乗時間が迫る


飛行機に乗れるのか?


イタリアでは既に友人が待っている


日本から駆けつけてくれた友人が。


久しぶりに会うので

待ち合わせの約束は守りたい



だが現実は厳しかった



そう、飛行機には乗れなかった



人生ではじめて飛行機を乗り過ごしてしまった



そんな突然のトラブルに遭遇した研究者夫


空港のチェックインカウンター前で


全身から漂う「やっちまった感」


なかなか立ち直れない様子



一方、研妻の私は意外と冷静


「今は乗れなかった、じゃあ次はどうしたら乗れますか?」


と、空港スタッフへ質問をしている



*どんな現実も受け止める、研妻精神*


トラブルに落胆する研究者夫を横目に、冷静でいるといいみたい





2020/01/14

【研妻精神1】人は遺伝子にとって媒介できればいいだけ?

ある日、家でくつろいでいると

当時ポスドク海外研究者だった夫が

私に話しかけてきました。

「遺伝子は生き残るために人間の体を使っているにすぎない」

「つまり媒介できればいいんだ」

という人もいるんだよ、と。


え、なにそれ?

人の感情はどうなっちゃうの?


一人ひとりの人生の重みを考えると

あまり飲み込みたくない話


だけど遺伝子からしたら、そうなのか


*どんな現実も受け止める、研妻精神*

夫からの突然のフリにも付き合える余裕も大切

そのためには、いつも「ごきげん」でいること




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