研究者と研究者を支える人々を応援する「研妻精神」 #8
2020/1/21我が子を出産する際
お腹もだいぶ大きくなり
寝返りもうてない
そろそろ出産というタイミングで
大学病院の産科に行くと
産科の女性医師から
1枚の紙が渡された
びっしりドイツ語で書かれたプリント用紙
後日、家にかかりつけの助産師を呼んだ際に
その紙を見せて内容を聞いてみた
すると、今後の研究の発展のために
研究材料として
出産時に胎盤を提供しますか?
というアンケートであることがわかった
答えはYes
夫の研究のことはよくわからないけれど
夫と同じ立場の研究者の役に立つなら
研究材料として私の胎盤を提供することに
抵抗はなかった
出産当日
大学病院に着くと
予想していなかった事が起こった
ドイツ人医師や看護師が妙に優しい
普段はまず受付のナースと戦う
予約はあるのか
保険証は問題ないのか
受診のおおまかな理由
研妻である私のたどたどしいドイツ語で
相手に納得してもらう必要がある
やさしいナースだったら
その日は運がいいと思う
不機嫌なナースだったら
その日は運がわるかったと思う
その日
1日を左右したりもする
英語が話せる医者に辿り着くまで
一苦労だったりする
そんな戦いを繰り返してきた経験から
出産当日の病院スタッフの様子が
いつもと違うことに気づく
助産師に至っては
1回目の出産時とは異なり
矢継ぎ早に色んな提案をしてくれる
やさしい
日本のおもてなしを思い出させる
心温まる提案
腸洗浄をするとこんないい事がある
とか
温水プールのようなお風呂に
アロマをたいて入浴すると
陣痛の痛みが軽減され
参道も柔らかくなり
赤ちゃんが出てきやすい
とか
以前も同じ大学病院で出産していて
その時は一晩中震えが止まらなかったけれど
今回は待遇が全然違う
おそらくは
胎盤をキレイな状態で摘出するため
ヨーロッパでアジア人の研究材料は
珍しいはず
理由はどうであれ
私の中で最高の出産となった
*淡々と現実を受け止める、研妻精神*
誰かを応援すると、自分にも何か返ってくるみたい
研究者を応援する方法は、人の数だけあるみたい