苦しい研究者の道
これまでも何度か触れたように研究者の進む道は
ごつごつした岩山のように険しい
そして果てしなく遠いように思わせる
資金の問題であったり
研究内容の問題であったり
就職難であったり
できることなら事前に教えてもらいたかった
と切実に思ったくらい
夫が海外で研究者をしていたときは辛かった
それでも当の本人はどこか幸せそうだった
研究者夫もかなり苦労しているのだが
たとえば96%の苦労の中に
4%の幸せを見つけているようだった
そのほんの小さな幸せのおかげで
険しい道のりを何年も歩き続けることができて
研究者として頑張ってこれたように見える
それは一体なぜなんだろう
答えはフランスの哲学者が教えてくれた
尽きることのない幸せの基準となる
何かを知ること自体が研究者夫の
小さな幸せであること
彼は自分の仕事のために普段から
知識の更新をしているので
毎日彼には幸せが作られているというわけだ
新しく知を求めては作り出す作業は
幸せを作り出すことでもあるようだ
そんなわけで
何かを知る喜びが幸せの基準である人は
研究者のような険しい道のりでも
案外耐えられるものなのかもしれない
*淡々と現実を受け止める、研妻哲学*
辛いときでも何かを知ることが幸せとなる研究者は、いずれ周りの人にも幸せを運んでくれるかもしれない
そんな研究者たちのように、知の幸せを糧に生きていくのもいいかもしれない
・参考文献
書名:人生が変わる 哲学の教室
著者:小川仁志
出版社:中経出版
発行年:2010年