研究者と研究者を支える人々を応援する、研妻哲学 #47
2020/2/29幼い子どもたちを連れて
日本で子育てを開始
寒い冬は特に
小さい子どもは風邪をひく
熱もだす
そうして
かかりつけの小児科へいくと
解熱剤として座薬をくれる
ふと
ドイツでお世話になった
小児科を思い出す
夜中に発熱と嘔吐で
救急で診てもらった
数年前の
ドイツの
寒い冬のある日
夜中に突然
嘔吐したわが子
熱も高い
体がぐったりしている
これはまずい
小児科の救急に
行くべきだろう
まだ一度も行ったことがないけれど
これは行くしかないだろう
と夫婦で話しあった結果だった
幸い意識はあって
会話はできたので
救急車を呼ぶほどではないと
判断して
真夜中にタクシー会社へ電話し
母である研妻のつたないドイツ語で
なんとかしてタクシーを呼ぶ
厚手の服を着せて
大学病院の
小児科救急窓口へ向かった
目が半分くらいしか
あいていないような看護師に
受付で症状を伝えると
いったん医者に確認しにいった後
私たちのところへ戻って来て
「イブプロフェンは飲ませましたか?」
と聞いてくる
「まだです」
と答えると
その場に
子ども用液体イブプロフェンと
シリンジと呼ばれるスポイトのような
液体を吸い取るアイテムを
持ってきてくれて
子どもに飲ませてくれた
そこへ医者が到着し
問診を受け
帰る頃には
すっかり元気な様子のわが子
ドイツでは
発熱した子どもに
イブプロフェンを飲ませるのは
当たり前だということを
この日まで知らなかった
ある国では当たり前のことが
他の国では当たり前ではない
*淡々と現実を受け止める、研妻哲学*
当たり前だと思っていることは、当たり前ではないのかもしれない
常に二律背反(にりつはいはん)の意識を持っているといいかもしれない