ドイツ文学との出会い
上の子が塾に行っている間
下の子を連れて
近所の図書館を訪れた
塾と言っても
遊び感覚で取り組んでいるようなので
長時間みっちり勉強するわけではない
お迎えの時間は
あっという間にやってくる
家に帰ってのんびりできるのが
理想ではあるけれど
まだそこまで集中力はもたないうえ
小学生にならないと
長い時間は通わせてもらえない
短い待ち時間に
幼い子供と
猛暑を避けられる場所として
図書館ほど最適なところはないと思う
そんなわけで
塾から図書館まで
夏の日差しを浴びながら
ベビーカーを押して歩く
下の子のスネの日焼けが気になる
日焼け止めを塗ってはいるものの
いくらカバーをかけても
足元にちょうど
日が当たってしまうので
靴下の上からズボンの裾の下までが
焼きおにぎり色になってしまう
いつものように
そんなことを考えながら
図書館にたどり着く
手を消毒したあと
まずはカウンターで本を返却する
そして新たに借りる本を選ぶのが
いつものお決まりの流れ
子供の本をいくつか選んだあと
ドイツ文学の棚に移動する
ゲーテをかわきりに
リルケにも触れてみることにした
プラハ生まれだけれど
ドイツ文学のくくりに入るようだ
リルケの詩集が
ドイツ語から日本語に
翻訳された文章を読んでいて
ふと思ったことがある
このような文学作品を
果たしてAIはどのように
訳すのだろうかと
ある種の芸術のような
言葉のゆらぎのかずかずを
ただ訳すだけにとどまらず
すっと心にささる配置に置き換えて
文学の世界観も維持する
という凄まじく
何とも言葉で表現できない
巧みな技に触れると
AIのことを考えずにはいられない
そのうち海外の文学作品も
色んな個性を持ったAI翻訳者が登場して
その中からお気に入りを
一人ひとりが選ぶ時代が来るのだろうか
2020年8月20日、木曜日の記録
*淡々と現実を受け止める、研妻哲学*
訳者によって作品の色合いが変わるように、翻訳AIや管理者によって変わる部分が魅力になるかもしれない
・参考文献
書名:人生の知恵 リルケの言葉
訳編者:高安国世
出版社:彌生書房
発行年:1991年
・参考文献
書名:若き詩人への手紙 若き女性への手紙 リルケ
訳者:高安国世
出版社:新潮社
発行年:1989年