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2020/08/21

研妻哲学221・ドイツ語あるある?「止まって」と「トマト」を間違えて

ドイツ語あるあるか


夏休みの思い出に
家族で
日帰りできる距離にある観光地を
旅したとき

昔ながらの商店街で
その場ですぐに食べられる
おやつを子供に買い与えて
歩きながら口に運んでいた

ある小さな土産物屋の前を通ったとき
着物を着た上品な淑女から
声をかけられた

「トマト食べていただけませんか」

目が点になりながらも
状況をなんとか把握しようと
目と頭をフル回転させる

店先にはトマトはもちろん
食べ物は置かれていない

着物の女性の立ち振る舞いから
トマトでお客を釣るような
お店には到底おもえないけれど
そういうお店なのだろうか

ひとまずトマトをくれようとする
その行為や気持ちに対して
お礼を言うことにした

「あ、ありがとうございます」
と一言だけ返して
その場を歩いて通り過ぎた

そして
少し前を歩いていた夫の
ところまでたどり着くと

早速やりとりを伝えた

「さっきトマト
食べていただけませんかって
急に声をかけられたの」

「え?トマト?どういうことだろう」

夫婦そろって
そのやりとりを疑問に思いながら
商店街を進んでいく

何軒かお店を通りすぎたあと
汗だくの夫が立ち止まって振り返り
私に話しかけてきた

「止まって食べていただけませんか
ってことじゃない?」

「!!!たしかに!!!」

わが子はまだ食べていた

どうやらこの商店街では
買ったらその場で
食べきってから
移動するように
呼びかけているようだ

そうとわかってから
すぐに立ち止まり
ここまで気づかなかったことを
夫婦で反省

すると止まった場所の
すぐ目の前にあるお店の店主が
優しく声をかけてくれた

「食べ終わったゴミは
このカウンターに置いていっていいよ
それと、この椅子つかって」

自分のお店のことだけを
考えるのではなく
商店街全体を考えた上での
店主の発言に感銘を受けると同時に
商店街の横の繋がりの強さを感じた

それにしても
「止まって」と「トマト」を
間違えるなんて
私の頭は夏の暑さに
だいぶやられているようだ

ドイツ語でトマトはトマーテ、トマーテン

トマーテンを早く言うと
トマーテ
トマッテにも聞こえるし

単数形のトマーテは
ずばりそのまま
トマッテにも聞こえる

ドイツ生活の影響が
変にでてしまった恥ずかしい
旅の思い出を書き記す

2020年8月21日、金曜日の記録



*淡々と現実を受け止める、研妻哲学*



恥ずかしい出来事が、旅の思い出を忘れがたくするのかもしれない




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