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2020/12/01

厳しい研究者の道のり。支える家族の視点・研妻哲学323

研究者が辛いときは、支える家族も辛い


長く苦しい生活の、ひとつの捉え方


若手研究者が
家族を海外修行につれていくとき

家族一人ひとりが
それまでの自分を変える覚悟を
決めておけるといいのかもしれない

そう感じるくらい
私の場合、
現地での生活は過酷なものに感じられた

特に家庭を築く
大事な時期と重なったことは
待ち受ける試練を
さらに耐え難いものにした

そうして
山をひとつ越えた今なら
『論語』に登場する言行録の一部が
ほんの少し
理解できそうな気がしてくる

孔子で有名な論語の中では、
天が大役を授けようとする人には
必ず心身が苦しめられる環境が
訪れるという

さらに研妻的解釈を混ぜると、
その理由は
あえて過酷な環境に身を置かせることで
それに耐えうる精神力を引き出し
後に大きな事を成し遂げるための
原動力にさせるのだとか

儒学には
そんな精神の修行に関するお話が
たくさんあるらしいけれど

この一節を知ったときに
心身が苦しめられている研究者と
その家族のことが頭に浮かんだ

目の前の果てしなく続く長い道のり

研究者として
家族として
どこまで続けていけるのだろう

今ここで別の道を選んだら
これまでお世話になった先生方や
励ましてくれた仲間に
心底申し訳ない

けれど、もうそろそろ
限界が近づいてきたような気がする

修士ならば
企業でも雇ってもらえるかもしれないが
博士号まで取得してしまうと
企業にとっては
なかなか扱いにくい存在になるのではないか

かといって
研究と他の大事な業務と家庭との両立は
戸惑うことが多い

散々もがいたあと
いずれその長期的な苦しみが
原動力となり、なにかを
成し遂げる日が訪れるかもしれない

その何かは
職業生活だけに限らない

家庭や慣れ親しんだ地域社会に
貢献するのも
立派な役割のひとつ

そんな視点をつくってみると
世界が違ってみえることもある

迷ったら
自分が大事にしている原点を
掘り返してみる

すると意外と
本当にほしいものではない事で
迷っていることに気づくかもしれない

2020年12月1日、火曜日の記録




*淡々と現実を受け止める、研妻哲学*




いつまで続くかわからない道のりを、楽しむ視点は自分でつくるものなのかもしれない







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