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2020/06/11

研妻哲学150・画家の傾聴力。複数の役割を持つ、クリムト編

画家から学ぶ傾聴

女性の肖像画を数多く描いてきた
オーストリアの画家、クリムト

クリムトがモデルの女性を描いている間
2人がどんな会話をしていたのか
気になる人もいるのではないだろうか

肖像画に描かれている女性は
しっかりとした眼差しで
こちらを見ている

この視線はおそらくクリムトを
捉えていたはず

肖像画のモデルたちは
年齢も職業も様々で
親子で来ている場合もある

絵を描き始めるときや
描いている最中
そして描き終わってからも
何かしら言葉を交わしていたはず

画家は描きながら
きっと彼女たちからの問いかけにも
応えていたであろうと思われる

ごく自然に相手から話させることこそが
対話に繋がる画家の持つ傾聴の底力のような
気がしてならない

モデルたちは彼に
画家の役割以外の役割も
重ねていたのではないだろうか

描かれた女性が後に離婚している
ケースが多いことから
もしかしたらクリムトに
悩みを打ち明けていた
可能性もうかがえる

果たしてこの画家が
よき理解者であったかどうかは
定かではないけれど、

ウィーンの男性社会にいちもつを抱え
知を女性に置き換えた天井画「哲学」は
その悲しい結末とは裏腹に
当時の一部の女性の心を掴んでいたはず

心と体を分裂させるような感覚を
持っていたとされるクリムト

同じ時代を生きた精神分析家として
知られるフロイトとの交流があったら
歴史をさらに彩ったことだろう

ビデオ通話より電話の方が想像力が
はたらくように、映像よりも
絵画集の方が空想を色鮮やかに染める
2020年6月11日、木曜日の記録



*淡々と現実を受け止める、研妻哲学*


物事の本質が隠れるように、職業本来の役割もまた、隠されているのかもしれない






・参考文献
書名:グスタフ・クリムトの世界 女たちの黄金迷宮
解説監修:海野弘
出版社:パイ インターナショナル
発行年:2019年



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