数年ぶりに履いた厚底シューズ
OL時代の感覚がよみがえる
もはや死語かもしれないOL
そんな時代が私にもあった
もうとっくに忘れていた事実
オフィスの床に敷かれた
無機質な絨毯を踏む感覚も
抜けきっていた
最近までは
ぺたんこ靴で
デコボコの石畳を
大きなベビーカーを押しながら
ひたすら歩いたり
広い公園だけでなく
普段の送り迎えでも
スニーカーで
子供たちを追いかけたりと
厚底やヒールのある靴とは
無縁の暮らしが
ここ数年続いていた
そんな日々に突如
スポーツタイプの厚底シューズが
仲間に加わった
もともと企業で働いているときは
ヒールがそこそこあるパンプスを
好んで履いていたので
どこか懐かしい感じもあり
試しにスポーツタイプを履いて
外の歩道を歩いてみると
物凄く久しぶりな感覚が蘇った
普通のコンクリートでできた
歩道を歩いただけなのに
踏み込む足の先が
オフィスの絨毯に変わるような感覚
かつて
足の裏が毎日のように感じていたもの
会議に遅れそうだからと
エレベーターを待たずに
階段を駆けのぼった日
同僚と楽しく談笑しながら
歩いた長い廊下
重いノートパソコンと
お気に入りのマグカップを
一緒に持ち運び
マグカップを床に落として
割ってしまった日
上司も一緒にお昼ご飯を
買いにオフィスをでて
外の空気を新鮮に感じた日
思い出のシーンがよみがえった
2020年10月9日、金曜日の記録