お知らせ

▼研究者を支える妻の会「研妻会」Webサイト

▼「研妻会」インスタグラム気まぐれ更新中

2022/02/26

研妻会のおかげで新事実発覚・研妻哲学448

海外研究者夫に同時期に帯同していた


研妻会のおかげでわかったこと


書きたいことはいくつかあるけれど
今回はずっと書きそびれていたことを
書いてみる

前回のオンライン研妻会で
「もしや?」と気づいてから
なかなか話題にできずにいた

話は数年前に遡る

海外ポスドク夫と帯同生活が始まった
20代の頃

それまで慣れ親しんだ
家族、友人、仕事のすべてから離れたことで
とてつもない
喪失感、孤独感、疎外感を抱えていた

誰かに打ち明けたくても
誰に打ち明けてよいかわからず

時差のある日本とのコミュニケーションに
行き詰っていた

住まいは都市部ではなかったので
日本人も少ないうえに
経済的な不安を抱えたポスドク夫に
帯同している日本人女性というのは
非常に珍しかった

当時をわかりやすく表現するならば
少し大げさに聞こえるかもしれないが
「おそらく地獄があったら、こんな感じ」
という心境だ

海外赴任や海外転勤ともちょっと違う
海外ポスドク夫の帯同生活

行き場や居場所を見失った
最初の1年は
まさに地獄のようだった

まさか自分を表現する言葉が
「研妻」だけになる日が来るとは
これっぽっちも想像していなかった

しかもこの言葉は、
夫ありきで成り立っている

そのため、
自ら「研妻」と呼ぶことについて迷い
よく考えた時期がある

そもそも
「研妻」は私のすべてを現す言葉ではない

それでも、
住まいからライフスタイルに至るまで
結婚生活のありとあらゆる部分が
研究者夫の影響を受けているので
そういった面を表現するには
適した言葉かもしれない
という考えに至った

研妻としての存在を認めるのは
多少の違和感と葛藤があるという意味で
ある種の覚悟でもあった

海外帯同生活が
スタートしたばかりの当時は
自分のような立場の人間は
ひとりだけなのではないかと
錯覚さえ覚えた

ところが、それから数年が経ち
「研妻会」が誕生して仲間が増えると、
当時の私は決して
ひとりぼっちではなかったことが
判明したのだ

なんと
同じ時期に
同年代の
同じような境遇の研妻が
隣国にいたことを知ったのだ!

ミラクル!!

当時の私が
この研妻仲間の存在を知っていたら
99%の確率で
隣国まで会いに行っていただろう

それくらい
本当にそれくらい
重大な気づきだった

共感し合える研妻が
すぐ隣の国で生活していたのに
当時は知る術をもちあわせていなかった

それでも、
もがきながら多少なりとも
動き続けていれば
こうして出会えることを知った

この事実は、
大きな励ましである


*淡々と現実を受け止める、研妻哲学* 



さまよい動き続けることに価値があるのかもしれない





2022/02/22

アメリカ人とドイツ人の英語、決定的な違い・研妻哲学447

アメリカ人とドイツ人の英語を比較


研妻が考える決定的な違い


ドイツ人が英語ネイティブではないことは
この文章を読んでいるほぼ全員が
周知の事実である

しかもドイツ語は
アルファベットをそのまま発音するような
音も多いため
(イギリス英語がスクールではなく
 スコールというのに似ていて)

日本人の私にとって
非常に聞き取りやすい英語でもある

ところが
これがアメリカの英語ネイティブの
流暢な英語となると
手こずるのである

おそらく
会話をしている者同士が
お互い英語を母国語としない場合は
求められることがないレベルの
高次元における言語・文化的背景の理解が
必要になることがある

ドイツ人英語と
英語ネイティブのアメリカ人英語

その決定的な違いは
リズムと語彙力だと感じる

まず、英語ネイティブは
日本語やドイツ語にはない
独特なリズムに乗った話し方を
する人が多い

もちろんアメリカ本土は広いので
地域によって特性はあるものの
英語文化を支えるある種の
会話のテンポ(間を含む)の存在を
無視することはできないだろう

そして
会話相手の母国語が英語でなかったら
おそらく通じないであろう
多様な言い回し(ラテン語を含む)が
音楽にのってダンスしているかのように
会話に織り交ぜられる

リズミカルでおしゃれな
英語の風にあたった
朝食前のひとときは
まるで映画のワンシーンのようだった

当面の間の課題は
美しい映画の鑑賞者からの脱却に
なるかもしれない

リズムと語彙力に
なすすべをなくした
2022年2月の記録


*淡々と現実を受け止める、研妻哲学* 



人生の各ステージには、それぞれ課題が用意されているのかもしれない





2022/02/19

海外生まれの子どもが外国人と呼ばれた日・研妻哲学446

人類学など文系学問も必要な理由


子どもの戯れ、楽観的な捉え方


上の子を幼稚園に預けた
いつもの帰り道

門をくぐろうと
下の子の手をとり歩いていたとき
うしろから賑やかな園児たちの声が
突如、響き渡った

「おーい、外国人?」
「ドイツにいたんでしょ?」
「英語しゃべって!」

その元気な声の持ち主は
無邪気な園児3人組だった

既にお互いが小さく見えるくらい
だいぶ離れた距離にいたので
「また今度ねー!」とだけ返答して
軽く手を振り帰路についた

私の心の声としては
ドイツだけど、英語なんだな とか
日本人だけど、外国人なんだな とか

以前もこのブログで少し触れた
海外帯同や二重国籍における
アイデンティティロスは
こうしたことも要因なんだろうなと

様々な想いは巡ったけれど
この出来事において
特にネガティブな感情は出てこなかった

代わりにこう思った

この子どもたちには、
文化的背景を深く考えるような
人類学の知識があったらいいのかもしれない

そして
ただ単純に
わが子が小学校へ入学したら
ちょっと気をつけてあげる必要が
あるかもしれないと気づいたのだ
(だいぶ気づくのが遅くなった感は否めない)

今回の3人組は単純に
育った社会がそうであっただけのことで
悪気なく戯れようとしてくれたのだと
非常に楽観的に理解している

他の学級がお休みだったこともあり
(屋外だけど)たまたまその場に
先生やほかの保護者がおらず
私たち親子と園児3人組だけという
偶然の環境とタイミングから
うまれた出来事だった

正直、親の私としては
いきなりの出来事に多少驚きつつも
私たちに興味を持ってくれていたことが
嬉しかった

海外の幼稚園では
日本の事を教える機会が与えられたけれど
日本の幼稚園では(今のところ)
海外の事を教える機会は与えられていないため
まずは興味関心からのスタートとなるのだ

せっかく興味を持ってくれているのだから
この機会に海外の文化を
ちょっぴり伝えてみるのもいいのかもと
閃いた2022年2月の記録



*淡々と現実を受け止める、研妻哲学* 



理系の安定は文系(人文科学)の存在で成り立っており、やがて立場が逆転して戻る可能性があるかもしれない





2022/02/17

退職して海外帯同するとき抑えておきたい社会学・研妻哲学445

社会学を侮ることなかれ


海外帯同準備におすすめな社会学


パンデミックを経たことで
海外からのリモートワークが
以前より受け入れられやすくなった
(はずである)

急に海外帯同の話がきても
「海外から仕事できるでしょ?」
なんて声が聞こえてきても
おかしくない

これは職種にもよるけれど
もしフルタイムの仕事を辞めて、
つまりは退職して海外帯同をするなら
渡航前の心の準備に
「社会学」がおすすめだといえる

特に企業戦士だった人が
会社を辞めて、
これといった趣味を持たずに
海外帯同するとなると
かなりの確率で
喪失感・疎外感を抱えることになる

そんなことを
予め教えてくれるのが「社会学」なのだ

無縁社会と呼ばれる
特に日本人男性に多くみられる傾向として
事前に学ぶことができるので
心の準備につながるのではないだろうか

さらには
頼れるのは家族のみという
海外生活において、
ネットワークの捉え方を
考え直すといいかもしれない

ネットワークとネットワークの間にできる
ちょっとした隙間は
新しいアイデアが生まれやすい場所であり
実は穴場スポットであることを
社会学が教えてくれる

パートナーの都合で海外生活が始まり
帰属意識を抱ける場所を見失っても
穴場であるスキマにいると思えば
怖くなくなるのだ

これをもっと早く知りたかったと
切実に思う
2022年2月の記録


*淡々と現実を受け止める、研妻哲学* 



長い人生には、文系学問も理系と同じくらい役立つのかもしれない





2022/02/16

理想のおばあちゃんに近づくためのウインク・研妻哲学444

理想のおばあちゃん像


ポイントは2つ


前にも少し触れたこのテーマ

以前はたしか
1つ目のポイントとして
「ありがとう」が似合う
おばあちゃんになることが
理想だと書いたように記憶している

外食先や買い物で
店員さんとちょっとした会話をするとき
今の私ではどうしても
「ありがとうございます」になってしまう

ちょっとかたい感じだ

これがもっと年齢を重ねることで
さらっとカッコよく
「ありがとう」と言えるように
なりたいのである

そして最近、
2つ目のポイントとして
理想のおばあちゃんの要素が加わったと
再認識したのだ

それは、ウインク!

ウインクの魅力を知ったのは
学生時代に滞在した
フランスの片田舎だった
(これも以前書いた気がする)

現地のおばあちゃんが
見事にウインクを使いこなしていたのだ

学生の海外ボランティアとして
現地に入ったはいいけれど
勝手がわからず
落ち込んでいる私を
ウインクで励ましてくれたのだ

言葉が通じなくても
「大丈夫よ」
「心配しないで」が
心に伝わってきた

あの小さな感動は
今でも思い出すことができる

それを思い出したのは
シリコンバレーで
1兆ドルコーチと称えられた
ビル(ウィリアム)キャンベル氏についての
書籍を読んだから

これは勝手な解釈にすぎないが、
彼はウインクの天才だったようだ

ウインクも
下手すると相手を不快にさせるどころか
勘違いさせてしまうこともあるかもしれない

上手く使いこなすのは
相当難しいと感じている

これも今よりもっと年齢を重ねたら
相手を不快にさせず
上手くできるかもしれない

そんな淡い期待に胸がふくらむ
2022年2月の記録



*淡々と現実を受け止める、研妻哲学* 



ウインクが身についたら、理想のおばあちゃんに近づけた証かもしれない





2022/02/12

【NewsPicks Expert】エキスパート表彰式・交流会に申し込んでみた話・研妻哲学443

研妻ラボ研究室長の個人ワーク


細々と、ひっそりと、NewsPicks Expert活動


ドイツから日本へ
本帰国することが決まった矢先

下の子が産まれたばかりで
アタフタしていた頃

ある日突然
エキスパート登録のお誘いが届いた

目が点となったことを覚えている

一体どういうことだろう?

と、疑問を抱きつつも
メッセージを読んでみると
かなりの長文で熱い想いが語られていた

まだサービス名称も
今とは違っていた頃で
ずっと海外にいたこともあり
大変失礼ながら、
私は存在すら知らなかった

けれども今回こそは
ある種のチャンスを
逃してはいけないと、
直観が働いた

なぜなら、
遡ること数年、
渡独する当日と
その翌年に
既に私はチャンスを逃していた

羽田の国際ターミナル駐車場から
出発ロビーへ向かうため
空港の中へ足を踏み入れたとき
当時憧れていたGAFAのひとつから
オファーが届いていることに気づいたのだ

このときは当然
空港で手荷物を預け、
見送りに来てくれた家族友人との時間が
最優先だったため
誰にも話さず、仕事自体も
受ける受けないどころの話ではなかった

後日、ある程度
現地での生活が落ち着いてきた頃、
当初ドイツ生活は1年になる予定だったので
また1年後というやりとりを交わした

そして本当にその翌年、
また連絡が届いたのには驚いた
(いわゆる社交辞令ではなかったのだ)

ところが海外生活は、
予想以上に長くなってしまった

今でもたまに
他の選択肢を選んでいたら
どうなっていたか
考えないこともない

けれども今は
この瞬間を前向きに、
ひたむきに生きている

そんな過去の経験から
次の機会こそは
指先だけでもいいから
触れてみたいと思っていた

なかば半信半疑で
NewsPicksエキスパート登録を済ませると
無事に審査完了のメッセージが届いた

それ以来
コメント依頼に向き合うだけで
特に目立った活動はしていない

表彰される側ではないことに
念のため触れておく

個人的には毎回
おこぼれに預かるようなイメージで
大変ありがたく受け止めている

そういうわけで
もともと人前にでるタイプではない
内向的な私は、
交流会なるものが苦手である

キャラではないうえ
心底恥ずかしいのだ

まさに
穴があったら入りたい心境だ

知り合いのいない
オンライン交流会に参加したことは
これまで一度もない

だがしかし、
地方に住んでいる研妻の私には
社会の多様な価値観に触れる
とても良い機会になるのではないかと考えた

申込みを考えただけで
ドキドキしてしまうが

1回参加したくらいで、
灰になるわけではない
(と、自分に言い聞かせて)

きっと学ぶことが多いだろう

今後の研妻会の活動にも活かせるかもしれない

あとは恥ずかしい気持ちを
なんとか抑える努力あるのみ

もし交流会で緊張した私をみかけたら
どうか温かい眼差しをと
願うばかり



*淡々と現実を受け止める、研妻哲学* 



自分の感受性と仲良く肩を組んで歩けたら、恥ずかしくないのかもしれない





2022/02/11

研妻ラボ、電子書籍プロジェクト始動・研妻哲学442

オンライン研妻会(歓迎会)の開催記録


研妻ラボの電子書籍プロジェクトが生まれる


不定期開催の研妻会にしては珍しく
2022年1月から引き続き
2022年2月もオンライン研妻会を開催

今回も3拠点を繋ぎ
  • アメリカ
  • フランス
  • 日本
濃い1時間を堪能

一人ひとりの異なる得意分野を
再認識するひと時となった

もともと
司会進行をするようなタイプではないし
至らない点ばかりだったはずだけれど、
終了後に「絶妙でよかったよ!」という
メッセージを続々いただき
なんだか新しい居場所をみつけたような気分

これも全て
研妻会の大切な仲間のおかげ

そしてふと思った

こんなに素晴らしい研妻たちがいるのだから、
次の世代の研妻を助けることができるのでは?

そう、世代をつなぐものがいい

研妻による研妻のための本なんてどうだろう?

そうして研妻ラボの新プロジェクト
電子書籍PJTが始動したのである

(インタビューさせて頂ける研妻のかたを探しています)



*淡々と現実を受け止める、研妻哲学* 



ひとりではできないことが、みんなとならできるかもしれない





2022/02/07

海外育児から本帰国で戸惑い。防犯意識の違い・研妻哲学441

帰国後の子育てあるある話?


海外生活で高まった防犯意識をどうするか


幼い子どもを連れていると
大荷物をどこかへ置いて
貴重品だけ持って
子どもの後ろ姿を
追いかけまわすことがよくある

地域の子育て支援センターや
入園前の親子学級など
幼い子どもにつきっきりになる場面は多い

そんなとき
ふと周りのお母さんを見渡すと
意外と手ぶらのお母さんが多い

特に屋内では
貴重品の入った小さなバッグまで
置いたままのお母さんを見かける

肌身離さず身につけているのは
私だけ

しかもドイツの田舎では
日本の街角でよくみかける
キラキラ、かわいい、コンパクトなバッグを
持ち歩いている人はほとんどいない

周りを見渡せば背中にはリュックの
登山スタイルばかりの環境だったせいか

帰国後は環境が違いすぎて
何気ない外出時の小物選びにまで
色んなことを考えさせられる

よくもわるくも
かつて
こんなこと気にしたことあった?
ということにも気づくようになった

みえている世界はさほど変わらないのに
みえるものは圧倒的に増えた

これが海外育児後の戸惑いであり、
年齢を重ねたことを意味するのかもしれない

住む環境によって
服装が変わり
服装が変わると
意識も変わる

どうやら海外生活で
すっかり防犯意識が高まっていたようだ
という現実に気づく

かといって
すぐに行動を変えられるかというと
それはまた別問題

なんだか
視力は落ちているはずなのに
心眼は見晴らし良く感じる


*淡々と現実を受け止める、研妻哲学* 



外を知ると、中が違ってみえるから面白いのかもしれない




2022/02/02

子連れ本帰国後、日本の育児で驚いた些細なコト・研妻哲学439

海外生まれの幼児と、日本の幼稚園


日本の子育てお得情報に鈍感な母


現地で生まれ、帰国直前まで
現地のキンダーガーデンに通っていたわが子

ほぼ毎日
子どもが自分で選んだ好みの服を着て
登園や降園時には
お友達と食べ歩きをすることもあった

そんな自由気ままな園ライフを
満喫していたせいか、
日本の幼稚園に入園した直後は
親子でだいぶ苦労した

  • 毎日着ていく制服の存在
  • 細かい持ち物の指定
  • 土地勘がない道を通ること
  • 子ども同士の日本語が一部わからない
  • 道中で食べ歩かない
など
前にも少し書いて、
だいぶクリアしたし
もうこれ以上驚くことはないと思っていた矢先
最近また新しく
自分が知らなかったことを知った

ほんの些細なこと

たとえば
お誕生月はハッピーセットにおまけがつく
とか

ぷかぷか浮かぶバルーンが
100円ショップで手に入ること
とか

帰国して間もない頃、
ちょっと無理して行った
土地勘のない場所にある
ショッピングモールで
イヤイヤ期全開のわが子にせがまれ
途方にくれ仕方なく
1000円近いバルーンを買ったことがある

それに比べれば
ガス代100円をプラスしても
たった200円であのバルーンが
手に入るなんて!

しかもレジ前で簡単に頼める!

なんてことだ

これっぽっちも想像していなかった現実

私は日本の子育てについて
実は何もわかっていないのかもしれないと
自分を疑い始める



*淡々と現実を受け止める、研妻哲学*



知らないことを知るのは、いくつになっても刺激的なのかもしれない





ブログ アーカイブ