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2021/03/12

孤独を受け入れた転勤族の妻、主婦の話・研妻哲学404

転勤族の結婚生活もわるくない


ひとりの時間が故郷に変わるまで


以前から書いている通り
わが家の場合は
厳密に言えば転勤族とは少し異なる

研究者夫の場合、
転勤よりも転職に近い

会社の要請で引っ越すのか
研究先の契約満了で引っ越すのか
という違いがある

前者を転勤とするならば
後者を転勤と呼べないかもしれない

前者は次の仕事が確保されているが
後者は次の契約・職探しへ奔走する

いずれにせよ
仕事の都合で引っ越しせざるを得ない
という事実は共通しているので

今回はおおあまで
研究者夫の場合も
転勤族と呼ばせてもらうことにした

令和の時代では
転勤や引越しを乗り越えて
新天地でも夫婦そろって
バリバリ働く道を歩むのが
スタンダードなのかもしれないが

わが家の場合は
最終的にUターン、Iターンを
夢見ている面もあり
時代の波を眺めながら
その脇をトボトボと歩いている最中だ

結婚後に
最初の孤独と出会ったのは
海外での帯同生活をはじめた頃

その後
妊娠から出産、子育てまで続く
長い話へと繋がっていく

(長話は割愛)

さらには本帰国しても
両実家とも遠方の新天地での結婚生活

やたらと孤独がつきまとうのは
もう仕方がない

かれこれ何年も
こんな生活をしているので
ひとりの時間が
もはやフルサト化してしまった

最初の数年はそれなりに
もがいたり
あがいたりしたけれど

結局
「帰る場所は、ひとりの時間」
孤独の中だった

そう書くと
さまざまな印象を与えそうだけど

一番最初に
これに近しいことを言ったのは
おそらくニーチェ

ドイツの哲学者も
残している言葉だと思うと
説得力がでてくるような
でてこないような

なにも孤独なのは
わるいことばかりではない

もちろん外では
子供を通じて知り合った人々と
挨拶を交わしたり
一緒に遊ばせてもらう機会もあるが

ひとりの時間は
自由な学びの時間にもなる

「ベルリン」が
「ベァリン」だったときの
衝撃を思い出しながら
ドイツ語の出直し勉強もできるし

興味のある分野の本を
静かに読み進めて
別世界を旅することもできる

日中、
子供のお昼寝優先で過ごせるのは
発達にもわるくないだろう

おまけに
近所や隣県を
家族で訪れるだけで
旅行気分が味わえる

広い意味での趣味を拠り所に
ないモノよりも
あるモノに目を向けて
故郷を想う

2021年3日12日、金曜日の記録



*淡々と現実を受け止める、研妻哲学*



転勤族の孤独の中には、彩り豊かな価値観が眠っているかもしれない