どちらも日本で想像する水漏れトラブルとはかけ離れていると思うので、ちょっとここでご紹介します。
当時は日本でいうマンションのような建物に住んでおり、ある日、上の階に移民家族が引っ越してきました。
前に住んでいたドイツ人家族と違ってマナーがちょっと気になってはいましたが(夜間の騒音など)、階段でベビーカーを一緒に運んでもらったりしていたので、わるい人たちではないだろうと思っていました。
そして数週間が経ち、トラブルは突然やってきました。
水漏れトラブル1回目
なかなか止まりません。
トイレで用を足すには傘をさすレベルで水が落ちてきます。
雨のようです。
人生で初めてトイレで傘をさすという貴重な経験となりました。
今となってはいい思い出ですが、当時はどうしたものかと焦り、悩み、営業時間は終わっていましたが、不動産屋に夫から連絡を入れてもらいました。
この翌日あたり、わりとすぐにハウスマイスター(家主)と不動産屋が確認に来てくれて、すぐに必要な業者の手配をしてくれました。
結局相当な量の水が漏れてきたので、後日専門業者がやってきて、どでかい乾燥機(床・壁用)を使用するように指導されました。
これが曲者で、スイッチをオンにすると、かなりうるさいのです。
ちなみにこの乾燥機を最大限活用するために、廊下の床は剥がされ、コンクリート丸出し状態となりました。
ここまでの流れが1日で済んだのではなく、この日は不動産屋による確認のみ、その数日後は業者による確認のみ、そのまた数日後は機械設置前の荷物の置き場指導のみ、そのまたさらに数日後にようやく乾燥機を設置、
といったように、1ステップ進んだらちょっと休んで、といった具合で全体的にゆっくり進行していきました。
グオーという騒音付きの乾燥機は、夜間や乳幼児のお昼寝の時間はオフにしてよいとのことで、オンにしているときちんとバケツに水が溜まっていき、使用時間もチェックできるようになっており、後日業者の人がチェックしにやってくるので使わないわけにはいきませんでした。
結局2週間くらい外出のタイミングを活用して(オンのときはできるだけ部屋にいたくない)ちょこちょこ機械を使用し、その後は業者が機械を回収しに来るまで放置していました。
ちょうどクリスマス前のタイミングだったので、業者も休暇モード。
一向に回収しに来る気配はありませんでしたが、こちらもこれまでのゆっくりな進行を理解しているので、急かすこともしませんでした。
と、いうことでクリスマスから年明けにかけて、この年は大きな乾燥機と共に年越しとなりました。
年があけて数日後、やっと業者が乾燥具合の確認と機械の回収にやってきました。
機械に関する業者は、毎回ドイツ人とロシア人のペアのおじさまでした。
私のドイツ語が乏しいのでやりとりは大変でしたが、たまに英語の達者な近所のドイツ人に通訳をお願いしたりして、なんとか乗り切りました。
言葉の壁はあったものの、基本的にこのおじさま達は優しく、気さくに接してくれたのが唯一の救いでした。
無事に床・壁用の大きな乾燥機は回収されたものの、まだまだ部屋の中はコンクリートむき出しです。
この後更に数週間かけて別の業者の人が床を張り替え、天井を塗り、キッチンなど他の水回りに影響がないかなども調べられ、ようやく水漏れトラブルは収束。
本当に長かったです。。。
水漏れトラブル2回目
1回目のトラブルをすっかり忘れた頃に、2回目の水漏れ事件が発生しました。
これは前回よりも強烈でした。
深夜寝ていたら、急にものすごい音がして水道管が破裂したのです。
その頃ちょうどひどい悪阻で体調がわるかった私はリビングで仮眠中で、夫と子どもは寝室にいました。
先に異変に気付いた私が寝室へ行こうとリビングのソファベッドから足を下すと、既に部屋は浸水状態でした。
大きな音がする前に、ウトウトしながらも水の流れる音は聞こえており、「今日は上の階の人がずいぶん長い時間シャワーを浴びているんだな」と呑気に思っていたのですが、それは上の階ではなくわが家の水道管から水が漏れ出していた音だったとわかりました。
部屋は小さいおもちゃやカードがプカプカと浮かぶくらい、浸水していました。
そしてなんとか夫を起こして解決策を考えました。
真夜中、家中水浸し、
一体どこに、誰に
助けを求めればいいのか???
滝のように溢れる水は一向に止まる気配がなく、水の高さがどんどん増していきます。
早く誰かに助けを求めないと!
もうこうなったら警察か消防に相談して正しい問い合わせ先を聞こう!という結果になり、夫がまずは警察に電話。
そしてなんとか状況を伝え終わると、消防に連絡するようにとのこと。
こっちはかなり焦っていたのですが、警察側に氏名や住所をゆっくり確認されたとちょっぴり不満気な夫。
そして早速消防へ連絡。
家に来てもらえることになり、玄関のドアを開けると部屋に溜まっていた水が一気に外へ流れ出しました。
このままでは近所の人にも迷惑がかかってしまうため、向かいの家の玄関ドアをノックしてみるものの反応はなく。。
この時既に深夜1時だし、小さなお子さんが2人いることも知っていたので、ドアベルは鳴らしませんでしたが、しばらくすると異変に気付いて出てきてくれました。
そして消防が水道管破裂の対応中の間、この向かいのお宅に避難させてもらえることになり、寝ている子どもを抱えてお邪魔させてもらいました。
なんとか水が止まり、消防による状況確認の面談もこの部屋を借りました。
ここの旦那さん(ドイツ人)は英語が流暢なので、通訳までしてくれて本当に助かりました。
結局溢れだした水はこのご家庭の玄関先まで濡らしてしまいましたが、わが家程の被害はなく済みました。
全部屋浸水となったわが家は、なんとこの瞬間から家を出るように言われました。
言われるがままに不動産屋が手配したホテルへ移動することになり、いきなりホテル生活となってしまったのです。
小さな子どものお世話に加えて、かなり不便なところにあるホテルでの生活。。。
悪阻も重なり、かなり状況は厳しかったです。
思うように動けない私をホテルの部屋に残し、夫は子どもの送り迎えや仕事、新しい部屋探し、浸水した部屋の片づけなど、、、、頑張ってくれました。
浸水した部屋に戻る話もあったのですが、不動産屋とのやりとりの中で急きょ新しい部屋を探して引っ越すことに決まりました。
分業化されているドイツ、不動産屋を含め、色んな業者とやりとりが必要になり、周りの人にとても助けてもらいました。
この後も引っ越し当日に私が入院するなどドタバタは続きましたが、ひとまず水漏れ問題は解決です。